島崎藤村 ・14分 ・4,269文字

十二月の洋食屋で、三十代を終えようとする男が一人、過ぎ去った日々を振り返る。食べ物をねだる二匹の白い犬が呼び起こすのは、幼いころの奉公人たちと飼い犬の記憶だった。身近な生き物との交わりをたどりながら、若さへの悔恨と老いの気配、人間の本能を静かに見つめる。

  1. 1 章(14分・4,290文字)

底本 筑摩全集類聚 島崎藤村全集第五巻(筑摩書房)/入力 林幸雄/校正 岩尾葵

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